2年前の同時期に訪れた鱗晃荘。その圧倒的な透明感を感じる料理が寝ても覚めても忘れられずまた来てしまった。なぜ鱗晃荘なのか、鱗晃荘の魚介料理は何が凄いのかは前回の日記にしたためた。足し算ではないし、引き算でさえもない、積丹の海の味そのものを引き出す独特の調理法。今回は未来のオレのために? 全部猛烈、同列一位と言いたくなる料理達にあえて順位を付けるという難しい作業に挑戦した。
17時到着。部屋に荷物を置き、急いで町営の温泉に浸かりに行く。とろとろの泉質が最高。
18時、一斉スタート。
ラインナップは2年前とほぼ同じ。この時期の積丹の美味しいもの全部盛り。
第1位 あわび酒蒸し
もう圧倒的に猛烈!あわび酒蒸しと言いながら、ウニ、つぶ貝、シマエビも入った積丹オールスター。それぞれの素材がケンカしないのは同じ海で育ったからか。酒と塩だけでこんなにも透明感のある旨味を引き出せるとは!コレは東京では絶対に喰えない。
第2位 真つぶの水貝
圧倒的な透明感を引き出す昆布出汁と塩水に漬ける調理法。昆布と塩水、冷静に考えれば海と同じ。なるほど。
第3位 煮ウニ
禁漁期なので生は喰えない。海水と同じ塩分濃度で煮込み旨味を圧縮する調理法は酒のアテに最高。
第4位 めかぶ
地味なのに圧倒的な透明感と濃い味。東京では絶対に喰えない。
第5位 本日のお刺身(シマエビ、ヒラメ、活タコ、サーモン)
特に印象的だったのはヒラメ。独特のねっとり感と濃い旨味。積丹で育たないとこの味は無理。
第6位 活あわび踊り焼き ぼたんえび 青つぶ
調味料は要らない。良い素材は焼くだけで美味いことを証明してくれる。
第7位 あわび肝
積丹の綺麗な海で良質の昆布を喰って育つと全く苦味が無く、むしろ甘い。肝は苦味を味わうもの、は間違いだった。
第8位 活あわび刺身
蝦夷あわびは小ぶりだけど、その分、味が濃い。
第9位 なまこ
圧倒的な透明感。今まで喰ってきたなまことは別の生き物。
第10位 浜鍋
積丹の昆布とアラでとった出汁が猛烈。
第11位 ホッケのたたき
獲れたてだから出来ること。
第12位 タコとワカメの酢の物
地味だけど、圧倒的な透明感。
第13位 ほや
コレも圧倒的な透明感。
第14位 ホッケの煮付け
ホッケの脂の甘味を引き出す調理法。
第15位 いくらの醤油漬け
コリコリ感がたまらない。
カルシウムが濃く感じる。
ぶどうの甘さが猛烈。
第18位 モイの塩焼き
冷めていたのでもったいない。焼き魚だけは頃合いを見て提供して欲しい。
サッポロクラシック→純米吟醸丹水→芋焼酎喜多里ロックとリレー
今回も感動した。もしもこのレベルの料理を出せる店が東京にあったら、ミシュラン三ツ星は確実だと思う。次回は生ウニの季節、6月から8月に訪れたい。