銚子屋からの帰り道、僕は巷のSNSでなにやら大騒ぎされている『芽衣や』の前を通りかかった。彼らが熱狂的に語り立てる「極太そば」と「特大イカゲソ」というものが、一体どれほどの奇跡的な代物なのか、僕は少々確かめてみたくなったのだ。店内に入り、話題…
世界には二種類の人間がいる。目当ての酒場にフラれ続けても健気に通い詰める偏執狂と、そうでない人間だ。 三月以来、僕は何度も満席という無慈悲な拒絶に遭ってきた。だから今日、開店10分前の11時20分に姿を現した。暖簾も提灯もなく、僕以外の誰もいない…
人生において「計画性」という言葉ほど、退屈で役に立たない概念も珍しい。 東松山の奥深い山の中から、わざわざ文明の匂いを求めてやってきた梅◯くんと僕は、まるで明日世界が終わるかのような顔つきで『どんきい』の暖簾をくぐった。言うまでもなく、僕た…
やれやれ、世界にはいくつかの理解しがたいミステリーが存在する。たとえば、なぜ猫はあんなにも静かにドアを開けることができるのか、あるいは、なぜ惜しまれつつ姿を消した名店が突然、まるで別の名前を名乗る潜水艦のように街の隅で浮上してくるのか。 『…
何もかもが面倒になったのですえひろへ 冷酒白鶴から 城東地域のソウルドリンク黄色い酎ハイを2杯 山芋線切り 白海老唐揚げ 刺身盛り合せ 鯵のたたき 〆て1人で5.7千円
両隣の店は潮騒に削られた貝殻のようにたやすく姿かたちを変えるが、一年ぶりに訪れた「浜貞」だけは奇跡のように変わっていなかった。 壁一面の短冊から好きな品を探す作業は、駄菓子屋の棚を覗く高揚感に似ている。 最初の酒は真澄だった。 そこから生ビー…
僕たちはいつだって、いくつかの見慣れた風景のあいだを通り抜けて、どこかへ向かっている。環状七号線というアスファルトの帯の脇に、かつての時代の名残をそのまま真空パックしたような、背脂チャッチャ系という小さく確固とした世界がそこにあった。 それ…
鰻重に照準を定めて 京都の鰆が目に飛び込んできた 焼き霜造りの真っ白な脂を堪能し はす蒸しは海老入りの餡と共に味わう 今日も全てが猛烈に美味かった 近所のお店で出会う これは紛れもなく深い幸せだ 流輝四合瓶 根三つ葉と木の子のお浸し 鰆の焼き霜造り…
二夜連続のときわ 八海山 純米吟醸→鶴乃里 限定生原酒→こなき 純米のリレー めかぶぽん酢 身体が欲しがっていた 強烈に美味い 本鮪のぶつ切り このコリコリの歯応えは一回も冷凍していない証 猛烈に美味い 鯵のなめろう たたき過ぎない鯵の味を残す技が冴え…