体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

アマン東京で買ったコップ一杯分1,000円の谷井農園製オレンジジュースがこの世のものと思えないほど超猛烈に美味かった件

会社からの帰り道、体たらくには全く縁の無い超高級ホテル、アマン東京様に寄り、谷井農園製の「不知火オレンジジュース」を購入させて戴きました。安物の半袖Yシャツ、くたびれたビジネスバックを持ち汗だくの体たらくと、仕立の良いスーツをまとい洗練された所作のホテルマン、どっちが上かと言えば、明らかにホテルマンなので、お金を出しているのはこっちなのに、なんだか下に見られているイヤな気持ちになりました。

180mlで1,000円もします。が、冷静に考えてみると、居酒屋で呑む冷酒の中にはもっと高いヤツがあって、美味いジュースなら1,000円でも安いと思えてきました。このジュースは、ラベルだけアマン東京専用にしているのでは無く、味も総料理長が求めるアマン東京専用にしているそうです。自分の味を押し付けるのでは無く、相手が求める味を一緒に作り上げる流儀、客先によって変える100種類以上のジュースの味が谷井さんの頭の中に入っているそうです。プロフェッショナルですね。

封を開け、飲んでみます。このフレッシュ感、この世のものと思えません。甘味と酸味の絶妙なバランス、ただ美味いだけで無く、例えるならば、水を一滴も飲まずに練習した真夏の部活を終えた後に飲んだ水の美味さと言えば良いでしょうか?身体全体が求めているジュースなんです。超猛烈に美味いです。

谷井農園は、糖度の高い「奇跡のみかん」を作る農園として知られています。土作りにこだわり、無農薬、有機栽培を実践する様は、映画にもなった木村さんの「奇跡のりんご」のみかんバージョンという感じです。谷井さんが凄いのは、美味しいみかんを10年掛けて作り上げ、それでおしまいでは無く、そこから更に美味いジュースを試行錯誤しながら作り上げている事です。谷井農園ではみかんジュースも作っていますが、アマン東京様は欧米人の客が多いため、みかんは不採用、オレンジを採用しているそうです。この道、うん十年の頑固親父が作ったジュースをイメージしていましたが、マーケット感覚溢れる経営者が作っているジュースなんですね。ブランド戦略も完璧です。