体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

東京 恵比寿 「匠 鮨 おわな」 江戸前の仕事

ハワイのすし匠で中澤親方から聞いた「おわな」を初訪問。

恵比寿に来たので、いつも通りハイボールでは無く、ヱビスの生ビールから。お通し代わりのシジミ出汁が強烈に美味い。

小穴大将はすし匠で10年修行され、独立して間も無く1年とのこと。店内もまだ初々しさが残る。

客層を観察する。元TOKIOの山◯くんがストレスでだいぶ太った感じの酔っぱらいが強烈な個性を放っている。さすが恵比寿。

お任せで日本酒をお願いする。小穴大将は長い時間かなり悩んでコレ↓「ひと夏の恋」を出した。

ひと夏の恋から最も遠い場所で生きているオレは、大将が何を悩んでいたのかは聞かないことにした。

ハワイのすし匠での時間があまりに強烈で、帰国してからも中澤親方のことを色々調べた。親方の功績で特に凄いのは次世代に繋げる仕事だ。

1つ目は、「熟成」の仕事。
江戸前鮨の技術として、熟成を最初に極めたのは中澤親方とされる。その後、多くの店が追従し、今では無くてはならない技術の1つになっている。

2つ目は、「弟子を育てる」仕事。
中澤親方の元から巣立った弟子達が営む店はどこも予約困難店になる人気ぶりで、江戸前鮨のレベルアップに貢献。

3つ目は、「日本の魚を守る」仕事。
中澤親方がハワイに行った理由はコレ。現在進行形の仕事。

すし匠系列のスタイルは、「江戸前」の仕事。新鮮な魚介を酢メシに乗せるだけの「海鮮鮨」とは一線を画す。

江戸前」を一言で説明すると、シャリに合うように魚介を手当てすること。

〆たり、漬けたり、煮つけたり、焼いたりして一番美味い状態にする仕事。美食家達はこの仕事にお金を払うのだ。

ここでなんとなくハイボールにチェンジ。高級店なので角ハイは無いので白州。香り高く上質。

「上質」や「高級」を愛するけど、

角ハイやセブンイレブンのお弁当も強烈に美味いと思える順応性の高さは維持していきたい。

ハイボール二連ちゃんの後、日本酒に戻る。山川光男とか言う変な日本酒が出てきたけど、この酒にもストーリーがあった。山川光男は、山形県内の有志蔵元4蔵により2014年に結成されたユニット。山形正宗の「山」、楯野川の「川」、東光の「光」、羽陽男山の「男」、を組み合わせ命名。このプロジェクトは、銘醸地として世界的に認知度を上げ、山形を日本酒におけるブルゴーニュにする。日本の農業の衰退を防ぎ、将来に美しい水田風景を保持する。なんかみんな、熱量たっぷりの生き方だな。

この鰯は今日の一番。口に入れた瞬間、鰯の風味が爆発する。芸術的な隠し包丁、浅葱の辛味は、鰯が持っている旨味を解き放つ仕掛けだったのか!超猛烈に美味い。

良い仕事しているな。

日本酒の選定もいいな。

すし匠のおはぎ、あん肝スイカみたいな、ここでしか喰えないオリジナリティネタとか、

中澤親方の凄みが出ればもう完璧だな。

TOKIOの山◯くん似御一行様が帰った後、貸し切り状態になってしまった。

オレのペースで喰えるのが嬉しい。

またハイボールに戻る。今日は流れが乱れているオレ。

なんでだろう?

まあ、いいや。

この穴子でお任せネタは終了。

まだ喰えるのでお好みネタ開始。

熟成系や感動の鰯をまた。






そろそろいい時間になったので帰ろう。

大根おろし入りの味噌汁が猛烈に美味いなぁ。コレで日本酒が呑みたくなったけど、次回の楽しみにしておこう。

小穴大将もお弟子さんも若くて夢を追っているいい目をしているなぁ。江戸前鮨の技法は次世代に受け継がれ進化して行くことだろう。

〆て2人で、6万円。今日も大満足。