体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

東京 平井 うなぎ「魚政」 うなぎ以外の肴も光る居酒屋使いのできる店

「男の隠れ家」に近所にある店が掲載されたのを見て、夫婦の記念日(の次の日)に初訪問。魚政は、創業60年の鰻専門店だったが、銀座の割烹で修行した3代目が帰ってきてからは、鰻以外の肉、魚料理も出すようになったとのことで期待が高まる。

まずは、店の実力を推し量るべく、おひたし(ほうれん草と湯葉)と刺身の盛り合わせを頼む。
おひたしは、薄味だかしっかり味付けがされていて美味い。シンプルなものだけに料理人のセンスが分かる。初めて行く店では必ず注文する。

刺し盛。津軽海峡で獲れた鮪の赤身、赤貝、平目、雲丹、しめ鯖、湯葉、生蛸、蛸の吸盤、鯨ベーコン。どのネタも上品で旨みがある。ネタへのこだわりが分かる。

メニューにあった、大間の本鮪一本釣りの刺身が気になり、盛り合わせに入っていた鮪とは違うことを確認して追加で頼む。全く引っ掛からない旨みと甘みのある鮪。これは本物だ。

魚を十分堪能したので、次は山形牛のタタキにいってみる。綺麗なさしが入っていてとても柔らかいのに厚めに切ることで適度な歯ごたえを演出している。うーん、計算されている。この旨みはうまく表現できないが、今まで食べてきたどの牛のタタキより旨い。今日一番のヒット。

箸休め?の若さぎの南蛮漬け。酢の具合が今まで食べてきた南蛮漬けとは全く違う。こんなに円やかに仕立てる腕に感服する。

鰻屋に来たのだから当然、鰻の肝焼きを試す。生臭ささは全くなく、適度な苦みが酒に合う。ここから日本酒にチェンジする。

うな重を頼むが少し時間が掛かるとのことで、酒のあてにふぐ卵のぬかずけを試す。珍しいが、しょっぱ過ぎて体に悪そう。

最後にうな重。さすがの味。重箱の蓋を開けた瞬間、いい香りが溢れ出てこれは間違いなく美味いことを予感させる。皮も骨も柔らかく全く引っ掛からない。タレも濃すぎず上品な味だ。ここ2,3年に食べたうな重では一番のヒット。もちろん肝吸いも付く。

魚も肉も楽しめる珍しい鰻屋。少し高いけど、どの料理も本物で酒のつまみにも合う。料理の質はピカ一だが、この日はたまたまなのか、客層が...。後ろにいた女性客の発○したかの様な笑い声の連続は、とても辛かった。俺も年季の入った酒飲みだから大抵の大声には耐えられる自信があるのだが。今日だけ運が悪かったと思うことにして、また特別な日に再訪しよう。

<参考:この日のメニュー>

<鰻のメニュー>