旅行4日目の朝。ホテルのビュッフェ。今日も俺一人のために豊富な種類を用意していただいて嬉しい。Ghasr Monshi Boutique Hotelのオーナーは、金のために仕事をしているのでは無い。もっと多くの人にイラン文化を知ってもらうため、そして売上の一部を癌患者のために寄付している。そんな生き方に憧れる。
とても気が利いて美人のスタッフともお別れ。
明日は機上の人、なので今日が実質最終日。ただテヘランに戻るのはもったい無いので、途中に魅力的な街・町・村が無いか調べると、アブヤーネ村とカーシャーンの魅力的な景観に引き寄せられるが交通の便が悪い。ならば、車をチャーター。ホテルの決済代行をしたオランダの代理店APOCHIに打診。12時間以内、73ユーロで決着。安い。経済制裁でイラン国内ではクレジットカードが使えないけど、日本で先に決済可能。10時までホテルでゆっくり過ごした後、迎えに来たチャーター車に乗り込みアブヤーネ村を目指す。
渇いた大地をひたすら走る。
地平線まで土漠。
アブヤーネ村の少し手前に城塞の跡。
イスファハーンから2時間半走り、ピンク色に染まるアブヤーネ村に到着。
ここは、周辺と異なる独自の文化と言語を形成。女性は花柄のスカーフを纏う。
家は赤土で造られピンク色。
村の入場料を払う時に地図をもらったけど、地図は見ない。
地図を見ながら要所を漏れなく効率的にまわるより、トンネルの先に何があるのかワクワクしながら歩く方が断然楽しい。
弾丸旅行なので旅全体の効率は最大化するけど、大きな括りの中では川口浩探検隊の様に行動する。
具体的方法は、こうだ。まず、イラン滞在時間を最大化できるエアを選ぶ。
日本で先に出来る事務処理は済ませておき、イランでの観光時間を最大化する。
VISAは、テヘラン空港でも取得可能だが、1時間ほどかかるので在日本イラン大使館で先に取得しておく。また、ホテルの予約も済ませておく。
手荷物は、預けずに機内持ち込みにする。
移動で疲れない工夫をする。疲れが溜まると時間の密度が薄まる。行きのエアはビジネスにアップグレード。長距離バスは、座席が広いVIPバスを選ぶ。粉末のポカリスエットを持参し、効果的なミネラル・水分補給を行う。
訪問地を厳選する。まず、一番行きたい場所を制約条件無しで決める。今回はイスファハーン。
一番行きたい場所の前後で地理関係も考慮しつつ、次に行きたい場所を決める。
移動時間を調べ、各訪問地での滞在時間をざっくり決める。
ここ、アブヤーネ村の滞在時間は、1時間と決めた。
その1時間の括りの中では、ノープランでワクワクしながら歩く。
これが、体たらくのやり方。
確かに味のある村だけど、ここに住んだら退屈そうだなぁ。
次の目的地、カーシャーンへ。明らかにイスファハーンより暑い。オレの贅肉が低温調理されそうな気温。
19世紀にペルシャ絨毯で財を成したTabatabaei家の邸宅。
オールドハマム。イラン風サウナみたいな処。
ハマムの天井の造りなんかにも情熱をかけているのが素晴らしい。
ハマムの屋上。明かり取りの奇妙な形がフォトジェニック。
モスクの裏手。
モスクの表。
バザールは休業。日曜日だから?
もう少し時間があるので、心の赴くままに歩く。
猛烈に暑いので人はほとんど外にいないけど、たまに会うイラン人に声をかけられる。Hello. Welcom to Iran.やら、電話中だったのにオレに気付くと、道に迷っていると思ったのか、方角を教えてくれたり、とにかくイラン人は親切で人懐っこい。
世界遺産 フィーン庭園へ。アッパース1世の命で造られた庭園。
庭園内は水路が張り巡らされ、体感温度を下げてくれる。
カーシャーンからテヘランに向かう途中に巨大な塩湖が現れる。車を停めてもらい撮影。
テヘラン市街に入ると車で埋まる。車間距離10cmで前後左右せめぎ合う。テヘランのシンボル、アーザーディー・タワー。
テレビで観ると面白味を感じなかったタワーも、色んな角度から実物を観ると、その造形美に驚く。
20時を過ぎて、そろそろ日が暮れる。
もし、戦争が始まれば、映像的にはシンボリックだから、この場所がテレビに登場するんだろうなぁ。
唯一無二の独特な美しい建物と景色、そして、イラン人の親切さに触れた旅。オレ的判定では、イラン人の親切さは、台湾人を抜き世界一。
戦争が起きない事を切に願う。