今日は、妻の誕生日祝い兼ホワイトデーということで、奮発して「本物」の寿司を喰うことにした。東京で「本物」の寿司を呑みながら喰おうとしたら2人で5万円は覚悟しなければならない。節約のため千葉に「本物」の店がないか食べログで探してみた。千葉県1位にランクされている「寿司栄」の料理の写真を見ると、見たこともないネタのオンパレード。コースのみの設定で1万円からあるらしい。東京の有名店と比較すれば、かなりリーズナブル。良し!ここにしよう!と直感的に決め予約の電話を入れたのが1カ月前。電話に出た方は非常に丁寧かつ品のある話し方で、コースは、1万円、1.2万円、1.5万円、2万円があるとの説明。いつもの癖で下から2番目のコース(1.2万円)でお願いする。
さて当日、東千葉駅からグーグルを頼りに歩き出す。真っ暗な住宅街を少し迷いながら15分程で到着。店構えは至って普通。
19時過ぎ、店に入る。カウンターは俺達が座り満席。奥には座敷があるようだ。まず、ハイボールを頼む。しばらくすると店主が来て嫌いなものは無いか尋ねる。勿論、ありません、全てお任せします!と答える。
突出し替わりの最初の一品。瀬戸内で獲れた穴子の稚魚。真透明で最初存在に気付かず。口に入れる。弾力がある。初めて経験する食感。この時点でこの店は只者ではないと直感する。
次は厚岸の雲丹。口に入れた瞬間、自分史上最高の寿司屋に出会ったと確信する。こんなに美味い雲丹は初めて出だ。思わず声を上げてしまう。
北寄貝の炙り。強めに塩が掛かっているが、炙ることで引き出した貝の甘さと調和する。
店主は坦々とつまみの品を出してくる。鮑の肝。嫌な苦みがなく、例えるならば外人でも美味いと唸るであろうペーストのよう。
蒸し鮑と鮑の歯(写真右下の白いもの)。鮑の歯(軟骨)は、1個の鮑から2つしか取れない貴重な部位。こりこりした食感を楽しむ。
ここで日本酒をスタート。もの凄いラインナップがあるので、純米酒でおススメのものとだけ伝え、以降、酒も完全にお任せにする。而今。純米酒なので主張する味だが魚に合う。
ミル貝の根元とひも。ただミル貝を出すというのではなく、同じ素材でも部位に拘り提供する姿勢に感服する。
河豚白子+キャビア+シャリ+山椒の香り。キャビアが均等に混ざるように良く混ぜてから食べて下さいとの説明。
↓混ぜた後の写真。脳みそが溶け出す美味さだよ。また声を出して唸ってしまう。
ノドグロ(生)とのノドグロの炙り。同じ素材でも部位と仕事を変えて提供する。
鮟肝+シャリ+山椒の香り。もうこのまま死んでもいいと思えてくる。
日本酒が進む。次は磯自慢。江戸切子の御猪口が綺麗。
ガス海老とウニソースなどをまぜまぜして食べる。後でシャリも入れてもらう。美味すぎて頭がおかしくなる。
雌の毛蟹の握り。手渡すときの店主の控えめながら何とも言えない自信に満ちた顔が印象的。
ここから写真を撮るのはしばらく止めて魚と酒に集中する。この間、関鯛、ゴジラ海老の塩焼き、蜂蜜?入り玉子焼き、蟹味噌、タイラ貝の磯部巻き、あと何かを喰った。
次の日本酒。新政。欧米に輸出している酒とのこと。ブランデーグラスで呑む新政は香りが良く、どこかブランデーのよう。これなら外人にも受けるだろう。この香りと飲み易さには感動。
写真撮影再開。蛸足の根本と吸盤。蛸足の根本は、いつも食べている蛸足とは食感や味が違う。またもや貴重な珍しい部位を楽しませる。
帆立の身+帆立の肝+いくら+シャリ。これでもかこれでもかと美味いモノが次々に出てくる。この絶妙な組み合わせにまたもや声を上げる。
超肉厚の赤貝。産地は忘れたが、店主が貝殻の大きさを見せてくる。丸々とした大きな貝。初めて見るサイズだ。勿論、強烈に美味い。
次の日本酒。白隠正宗。ちょっとキツイ感じ。これだけの料理に負けないという意味では必要なキツさか?
おしぼりが交換される。握りのスタートの合図だ!トップバッターは平目。文句なく美味い。
次はサヨリ。〆加減がちょうどいい。美味い。
トロを何層にも重ねた握り。口の中一杯にトロが広がりますと言った店主の言葉に嘘は無い!順番を付けるのは失礼だが、敢えて言うと握りでは今日一番の特大ホームラン。
紫雲丹とバフン雲丹のコラボ握り。こう来たか。4番バッター同士、東西両横綱同士組み合わせてどうするの?!美味すぎるに決まっているでしょ!贅沢だな〜。
ノドグロ炙りの巻物。今日はノドグロが良く出るな〜。でも全部美味い。
鯛頭のすまし汁。巨大な頭が入っている。贅沢だな〜。そろそろ終盤のようだ。
穴子の握り。美味いに決まっている。
最後に鯖棒寿司。海苔で巻くのは珍しいが、意外にイイ組み合わせ。
喰いっぱなし呑みっぱなしの2時間半。全部4番バッター、全部横綱、ひとつも手抜き無し。只々参りました。会計は2人で3.2万円程。これだけの内容なら大満足。CP最高と言って良し。普段は小食の妻も全て唸りながら完食。大満足してくれたようだ。絶対に期待を裏切らないこの店で四季毎に違う魚を味わってみたい。また金を貯めて再訪しよう。
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