体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

千葉 松尾 千産千消のイタリアン「Ushimaru」 貴方の知らない千葉がここにあります

今年新規開拓したい店リストに挙げた「Ushimaru」を初訪問。今日の日記のタイトルは、UshimaruのHPのパクリ。この言葉が全てを言い当てている。千葉で獲れる食材を使った料理を千葉で食べると言うコンセプト、名付けて千産千消。ストレートで迷いが無い。

Ushimaruの最寄駅、松尾。その名は、千葉出身の俺でさえ知らないミステリー駅。腹を空かせるため、ひとつ前の成東で降り散歩開始。成東城跡の山を登り街を見下ろす。ほぼ田んぼの風景だ。成東駅に戻る途中、バス停を見つけ興味本位で路線図を見る。何とこのバスは松尾駅の更に先、Ushimaruの側を通り、1日7本しか走っていないバスがもう直ぐやって来る幸運。アドリブでローカル路線バスの旅を始める。ミニバスは、1時間掛けUshimaru近くのバス停に到着。そこから恐ろしい程に真っ暗な道を満天の星空と成田空港に向け低空で飛ぶ飛行機の姿を楽しみながら歩き、5分程でUshimaruの看板が現れる。予約時間の18時ピッタリに到着。さすが俺。

こんな所に一軒家レストランがあるとは。現実と幻の境目が分からなくなる。

シェフお任せの8,500円のコース。一品目から度肝を抜かされる。いきなり伊勢海老が出てきた。ミディアムレアの絶妙な火入れ。海老粉末を混ぜた塩を付け食べる。強烈に美味い。これは現実か幻か?

乾杯用のスパークリングはイッキ飲みで泡と消えたので、直ぐに次の酒がサーブされる。酒は料理に合わせソムリエ氏に全てお任せする。その選択が正しかったことは直ぐに分かる。

木戸泉酒造(千葉県いすみ市)が醸す白玉香。
ワインが出てくるかと思ったら山田錦で造った純米生原酒が出てきた。冴えない印象の千葉の酒造り。こんなに旨い日本酒を醸していたとは驚きだ。

天然平茸と北寄貝の何ちゃら。
素材の味を引き出す調理技術。強烈に美味い。

巨大な天然平茸が近くでとれるらしい。千葉って結構凄いかも。

合わせるワインは、ブルゴーニュシャルドネ ルネ・ルカン・コラン。最高に美味い。
この辺から脳ミソがぶっ飛び夢と幻の世界を旅する。さっきのキノコに覚醒作用があったりして?

鰻の炭火焼き 山わさび添え。
千葉の海で鰻が獲れるとは知らなかった。表面はパリパリ、中はジューシーな焼き加減。山わさびを付けて食べる。強烈に美味い。

合わせるのは、山形のスパークリングワイン嘉。
山形県高畠町シャルドネを使った泡。国産でこんなに旨いスパークリングワインがあるとは思ってもいなかった。

イカ墨ソーセージとコウイカ
真っ黒なガラスの皿に真っ黒なソーセージと真っ白なコウイカのモノトーンな演出。文句無く美味い。

合わせるのは、カリフォルニア産白ワイン Ryder Estate。
飲みやすさ重視系。

濃厚魚介スープ。
色んな味が入っている。強烈に美味い。

合わせるのは、ボジョレーヌーボー
どこのヌーボーだが忘れたがラベルに日の丸があるので国産なのだろう。

蛤とロマネスコの何ちゃら。
蛤の出汁が効いて優しい味。強烈に美味い。

合わせるのは、フランスの白ワイン La rose bellevue。
どんな味だったか忘れた。

自家製フォッカッチャ。
オーブンから取り出したばかりのフォッカッチャを目の前で切り分ける。包丁を入れると湯気が湧き出す。

外はカリカリ、中はジューシー。塩気も丁度イイ塩梅。強烈に美味い。

平目のパイ包み。
淡白な印象の平目がこんなにも旨味を出すとは。猛烈に美味い。

合わせるのは、フランスの白ワイン ドメーヌ・オー・ペロンのソービニヨン。ツレにとって今日1番のワインだそうだ。

ヒラマサの炙りとカルパッチョ
腹身の炙りは藁の香り付けが最高。超猛烈に美味い。俺の今日1番。カルパッチョもフレッシュで猛烈に美味い。

合わせるのは、新政 ラピスラベル。
ヒラマサにアラマサの駄洒落をしたかったと言うお茶目なソムリエ氏。新政のラピスラベルは、千葉県ダントツNo. 1寿司屋「寿司栄」でも呑んだ世界を狙う強烈に旨い日本酒。

渡り蟹と紫大根の何ちゃら。
濃厚な蟹味噌を紫大根で中和。強烈に美味い。

自家製生ハム。湿度の高い関東で生ハム造りは無理と思っていたのは間違いだった。

自分好みの塩の強さ。猛烈に美味い。

サラダ。
冷製に見えてちょっと温めているところが憎い。強烈に美味い。

赤ワインの飲み比べ。
もう訳が分からない。今日はどれだけ飲むことになるのだろう?フランス産の2つよりチリ産のピノノワールが好みだな。

お待ちかねのジビエ。真鴨、鹿、黒毛和牛の炭火焼き。
何を隠そう、真鴨が食べたくてこの時期を選んだのだ。全く臭みが無いのに獣らしい凝縮された旨味がある。猛烈に美味い。鹿肉も和牛も猛烈に美味い。普段食べている肉とは全く別次元の旨味。

お口直しにセロリのシャーベット。
面白い味。

カラスミのパスタ。
腹が一杯だけど強烈に美味いと感じる俺を褒めるべきか、シェフの腕を褒めるべきか、それが問題だ。

合わせるのは、魔王‼︎
まさかここでプレミアム焼酎の魔王が出てくるとは思ってもいなかった。しかも俺たちのために口開け。ソムリエ氏によれば、カラスミは味が強烈過ぎて合わせるワインが無い、焼酎が丁度イイとの事。さすが魔王。滑らかで猛烈に美味い。

牛乳のアイスとヨーグルト。
オーナーの実家でとれる牛乳を使っているらしい。文句無く美味い。

器を上げると隠しデザートのチョコレートが出てきた。

デザートを食べ終え、現実の世界に戻って来た。クリスマスかぁ。現実の世界は楽しい事ばかりでは無いけど、辛い事ばかりでも無い。

温かいCoffeeをすすりながら今宵の呑み食いを振り返る。
「貴方の知らない千葉がここにあります」
本当にそうだった。千葉で生まれ育ちながらこんなにも豊かな食材に恵まれているとは思ってもいなかった。フォッカッチャとデザートを除いて全13皿の料理と13種の酒。酒はお任せワインコースになっていて5,000円。1グラス当り385円の超驚愕のCP。料理は全て美味いだけで無く驚きも合わせ持ち大満足。

誰も居ない松尾駅のホームで千葉行きの電車を待つ。冷たく澄んだ空気が心地良い。

次は夏の食材を楽しみに行こう。東京から電車で日帰りも十分可能だが、近くの海の見える宿に泊まり、ゆっくり過ごしてみたい。