体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

神田江戸っ子寿司の兼子さんが戻ってきた

神田江戸っ子寿司は、神田駅周辺に6店舗の店を構えるすし屋。http://www.edokko.co.jp/
店により雰囲気が変わるが、中でも一番居心地の良かったのは、本店。西口店のような活気や江戸乃家のようなちょっと洒落た雰囲気とは違う、客と板前さんとの距離が近い、昔ながらのお寿司屋さん。客も神田周辺で働いているか住んでいる方が多く、寿司屋の楽しみ方を心得ていて、呑んだくれて長居する客は皆無。一人で入ってきて、その日一番のネタを瞬時に見極めつまみで頼み、軽く飲んで最後に何貫か握ってもらい、さっと会計を済ませる。本店には、そんな粋な客が多かった。最近は、寿司屋を居酒屋と勘違いする客がいて困る。本来、寿司はファーストフードなんだ。

しかし、3.11震災後、本店は店を閉める事になり、板前さんも皆んな江戸っ子寿司を辞めてしまった。

ところが、最近、本店の店長を務めていた兼子さんが中店に戻ってきたという噂を聞いて本日訪問。兼子さんも自分のことを覚えていてくださり、嬉しい再会。少し会話した後、早速握っていただく。まず、小肌。芸術的な三つ編み。江戸っ子寿司は、握り方を統一しておらず、板前の裁量に任せている。同じネタを使っても板前の力量で大きく味が変わる。兼子さんの握りは手抜き無しの本物。次に秋刀魚、真鯛、赤イカスルメイカヤリイカ、鮪赤身、あか何んとかエビ、鰯、〆サバ、ツブ貝、金目鯛、生蛸、ブリの腹身、白子と怒涛の如く食べ、焼酎も何杯か飲みほし、兼子さんにお礼を告げ店を出た。2年間のブランクを埋めるべく、食べる方も真剣勝負。写真は撮らずに寿司に集中した。神田にいい寿司が戻って来た。