体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

東京 新小岩 立ち呑み「しげきん」 鰆の照り焼き

立ち呑みの聖地新小岩で、ひと際異彩を放っているしげきん。

料理全品340円均一。

ハイボールや生ビールも340円。レモンハイやウーロンハイは240円。驚愕のCP。

MBA的に見ると、低価格が売りの飲食店は最も難しいビジネスモデルで、参入するべきでは無いと何かの本に書いてあった。

お勉強ばかりしてきた人達から見ると、競争が最も激しいレッドオーシャンの世界。

でも、しげきんで呑んでいて感じるのは、競争なんて全く意識していないことだ。

家族親戚か知り合いと思われる従業員達も仕事はしっかり早いけど、全くせかせかしていない。

巨大なかき揚げに使っている素材は玉ねぎと人参だけ。しかし、出汁の効いた天つゆが脇を固めて満足度の高い品に仕上げている。

しげきんの大将は割烹出身。

出汁にはこだわりがあり、安い素材を使っても割烹の味に仕上げる腕を持っている。

これで他の立ち呑み屋との差別化ができているけど、競争なんて意識して無く、ただただ安くて美味いものを喰わせたいという大将の心意気なんだろうなぁ。それにしてもこの鰆の照り焼きは強烈に美味いなぁ。

従業員同士も仲間。客もここに来ればみんな仲間。競争から最も遠い場所。

この野菜の煮浸しは、野菜を味わうための出汁では無く、出汁を味わうための野菜って感じで、強烈に美味いなぁ。

巨大なコロッケは、腹ペコな労働者にはたまらないサイズだなぁ。味も良いし。

鮪刺しみたいに直球ネタは、値段通りの味なのは仕方ない。余計なお節介だけど、今流行りのユッケ風にしてくれたら嬉しいなぁ。

この五目おにぎりも2個で340円。コンビニ並みの価格で熱々の作り立てが喰えるのは幸せだなぁ。

じゃんじゃん呑んで、〆て2人で、6.7千円。CP最高。

競争では無く、人を幸せにすることだけを意識しているしげきん。チェーン店化は絶対にできないビジネスモデルなのでMBAの教科書に載ることは無いけど、こういう個人店は称賛に値するなぁ。