プロフェッショナル仕事の流儀。出演者は、番組の最後にプロフェッショナルとは、の問いに答える。逃げずに超える、という仕事の根っ子を自分の言葉で答える。ここ、浅草「ぬる燗」の主人なら何と答えるだろうか?
寡黙な主人は、今日も1人で全てをこなす。1ミリ、1秒の無駄も無い動きは、プロフェッショナルという言葉が似合う。
ハイボール。簡単そうで難しい。作り手の気持ちが移る。ハイボールを上手く作れない店には再訪しないのが体たらくの流儀。
アスリートの筋肉、馬刺し。凄い弾力と旨味だ。仕入れ先がいいのだろう。
鹿児島の芋焼酎 五郎をロックで呑みながら、主人の情熱の源泉は何かと考える。
酒への愛か?主人自身も筋金入りの呑んべいらしいが、それだけではない様な気がする。何か背負っているものがあるのか。本鮪赤身漬けがたまらない。鉄分を円やかに仕上げる江戸の知恵。
鳳凰美田をぬる燗で。少し熱を与えると香りが発ち旨味も増すが、まだ角は残っているところがいい。人の壮年期の様だ。
いい歳なのにまだ甘酸っぱいのが好みの連れは、花垣にごり酒を冷酒で。
主人は大量の注文を黙々とさばいている。これだけ忙しくてもギスギスしていないしテンパってもいない。なぜだろう?粗挽きメンチカツは酒のアテにちょうどいいサイズ。ちょうどいい。いい言葉だ。これが崩れると人は醜くなる。
和牛すじ煮込み。熱と時は、すじだらけの堅物をも熟成させる。人の熟年期の様だ。
50種以上の日替わりの肴を主人1人で仕入れ、仕込む。凄い情熱だ。プロフェッショナル仕事の流儀より先に情熱大陸に出るかな。味噌ラタトゥイユは和洋融合の意欲作。
東京 東村山で醸した屋守を冷酒で。東京でも美味い酒が造れる事を教えてくれる。
マカロニツナサラダ。シンプルそうでカオスな味わい。シンプルとカオス、対極する概念を…と無駄に考える時間があったら手を動かせと言いそうな主人。
〆て2人で、9.2千円。ここの主人がプロフェッショナル仕事の流儀か情熱大陸に出る日は近いと思う。
〆は「ぬる燗」至近の蕎麦屋「なお太」へ。
〆て2人で2.5千円。文句無く美味かった。
- 作者: 太田和彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/12/16
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