完璧なものに出会う機会は、人生においてそう多くはない。たとえば、銀座に二号店をオープンさせるという「つぐみ食堂」がそれだ。彼らの挑戦には終わりがない。
僕がその店の引き戸を開けたのは、これで三度目だった。今日のそばのつゆは驚くほど素晴らしかった。出汁とカエシのバランスが、寸分の狂いもなくピタリと定まっていたのだ。
もちろん、かつ丼のことも忘れるわけにはいかない。そこには潔いと言ってもいいほどの、実に素敵な豚肉の厚みがあった。ただ、もし僕にひとつだけ我儘が許されるなら、汁はもう少し多めであってほしかった。それだけの厚みがあるカツなのだから、受け止める汁もそれに見合うだけ「汁だく」である方が、全体の調和はより親密なものになったはずだ。
都会の真ん中で彼らがどんな風にこの世界を再現するのか、僕は楽しみにしている。
満腹かつ丼ミニそばセット(1,100円)+げそ天(250円)

