体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

面倒な国、インド。

2009年12月、インドをひとり旅した。

インドの個人旅行は何かと面倒くさい。
詐欺、下痢、狂犬病、遅延が攻略するべきポイントだ。

エアはアシアナ航空。デリー到着が深夜にならない、ビジネスクラスが強烈に安い、ANAのマイルが貯まる、がアシアナを選んだ理由。当然、機内食にキムチが出てくる。

デリー空港からは日本で手配しておいたハイヤーに乗る。空港から市内に向かうタクシーでインチキ旅行会社に連れて行かれたり、強盗にあったり、とにかく評判が悪い。深夜に到着する便を選ばないのもポイント。面倒だ。無事ホテル到着、すぐに寝た。

朝起きると下痢。早速インドの洗礼を受ける。でもインドに来てから何も食べていないのに何故?
ニューデリー市街を無計画に彷徨う。どこに行っても人だらけ。人の森。しかも皆んな熱量たっぷり。全く違う文化の国に来た。意味の無いセキュリティゲートが置いてあるし。

フマユーン廟。
ガイドだの、靴を預かるだの言って金を出せと言ってくる輩に囲まれる。インドは1人にしてくれない。面倒だ。

朝だというのにスモッグ。生まれて初めてマスクをする。面倒だ。

人、牛、犬が共存。ウンコもそこら中に落ちていて、下を見ながら歩かないとウンコを踏んでしまう。面倒だ。

ヒンドゥー教徒の聖地バラナシへ。鉄道チケット入手が鬼門。日本からインド国鉄のwebサイトに入り込み予約を試みるもキャンセル待ちの状態。乗れるか分からぬままニューデリー駅へ。ここでも沢山の詐欺師達が待ち構えている。面倒だ。事前にチケットオフィスの場所を正確に掴んでいた体たらくは、言い寄ってくる詐欺師達を無視しチケットオフィスに到着。キャンセル出たか?と訊いたら「多分大丈夫、しばらく待って」とのこと。インド人の多分としばらくほど当てにならないものは無いけど待つしかない。2時間位待ってチケットの入手に成功。さすが国鉄職員、嘘はつかなかった。
寝台列車は、定刻より30分遅れて出発。インドにしてはマシな方だ。高揚感から一睡もできぬままバラナシ到着。まだ夜が明けていない。

深夜に外に出てはいけないがインドの鉄則。明るくなるまで駅で待つ。ここに座るのは難しそうなので立って待つ。面倒だ。

明るみが出たところでリクシャーに乗りガンジス河へ。リクシャーに乗る前に必ず値段交渉が必要。面倒だ。

ガンジス河から昇る朝日。神々しい。日傘のおじさんの正体は不明。

沐浴。

手漕ぎ舟に乗る。河辺での喧騒は嘘のように静寂な時間が流れる。

河辺では人の亡骸を焼いている。遠くから眺めていてもすぐに悪い輩が寄って来て薪代だの花代だの言ってしつこくせがむ。日本人は皆んな金を出しているとか言ってきたので、You are a liar.と言ったら輩の顔がマジ切れしていたので、ファイティングポーズをして応戦する。面倒だ。

バラナシ空港からデリー経由でジャイプルに向かう。風の宮殿を観るためだ。バラナシ発の飛行機が大幅に遅れジャイプル行きの便に接続できず、止む無くまたデリーに泊まる。面倒だ。

ホテルから徒歩で行けるレストラン。この界隈では高級の部類に入るだろうが、店の中ではネズミ達が運動会をしている。潔癖性には無理な国だ。カレーとナンは超強烈に美味い。

鉄道に乗りタージマハールへ。文句無く美しい。インドらしくない光景を初めて観た。

世界7大不思議の一つ、錆びない鉄柱。

インド門。

ガンジーのお墓。
お墓を作る文化のないインドにあって特別な存在。ガンジーの偉大さが分かる。

インドは狂犬病の被害者が年間2万人と世界で最も多い国。狂犬病は発病したら致死率100%の怖い病気。犬に近付かないようにするのは当たり前、噛まれた場合を想定し、狂犬病という英単語をメモした紙を携帯した。噛まれたら傷口を直ぐに水で洗い、病院に駆け込みワクチン接種をしてもらうためだ。噛まれたら直ぐにワクチン接種、4週間の間に計5回接種すれば発病しない可能性が高いとのこと。

何かと面倒なインドだが、均一化する世界にあって、異彩を放ち続ける類稀な国。今度はコルカタ南インドを攻めてみたい。