寅屋から次の店に向かう途中、足が止まった。今日入らなければ次はもう無いかもしれない。
目玉定食より親子丼の方が安い謎の価格設定。消費税が上がろうが物価が上がろうがずっとこの価格で頑張って来た、そう言っている気がして暖簾をくぐる。
店主は高齢のお母さん。カウンターに同じく高齢のお母さんが冷奴をつまみに呑んでいる。親子丼を注文すると、玉ねぎを切るところから始め、ガスコンロの着火にマッチをする。この硫黄の匂いは久しぶりだ。
親子丼（500円）。今風の半熟にはしない。昔から変えない正統派の親子丼。甘目のつゆはオレ好みのど真ん中。ご飯もしっかり美味いし、漬物は喰う前から美味い事は分かっていた。総じて、強烈に美味い。
次回は、時価の魚定食を喰ってみたい。
