秋の積丹は、寂しいほど美しい。
冷たさを感じる積丹ブルー。美人だけど性格は冷たい、そんな感じ。
紅葉の深まる積丹川を
他の仲間より遅れて遡上する鮭に哀愁を感じる。
積丹の片田舎にある鱗晃荘に投宿。なぜここに来たか?宿のHPを見て、未だ経験したことのない魚介料理に出逢えると確信したからだ。「田舎料理ばかりの小さな宿ですが、アナタの胃の中を水族館にします。」から始まり、「鮮度を一番に考えること。素材の味を大切にすること。旬の食材を生かすこと。そして、心を込めて作ること。ただ、それだけの田舎料理。肉料理や、野菜料理は一切無い、海鮮のみのご夕食です。」で結ぶ。読んで興奮した。
近くの町営温泉に浸かった後、夕食。大広間にオレ達4人だけ隔離。良い感じだ。
凄い品数だ。
↓↓この解説シートは、日記用としてとても助かる。
サッポロクラッシックの後、地ワインと地酒へ。
ホッケのたたき。漁れたてだからできること。
南蛮海老、縞ゾイ、活タコ、サーモンの刺し盛り。鮮度で勝負系。特にタコの瑞々しさと甘さが印象的。
ご主人が獲ってきた鮑一品目。活鮑刺し。キレイな切り込みの効果でストレス無く噛める。
鮑ニ品目。鮑の肝。う○こがパンパンなのに、嫌な苦味を感じないのは、キレイな海で良質の昆布を餌に育ち、鮮度も良いから、と推察。
煮ウニ。口に入れた瞬間、超猛烈!と唸りながらひっくり返りそうになった。今は禁漁期で生では出せないが、逆に良かった。海水と同濃度の塩水で煮込み、旨味と甘味が超凝縮。初体験の味。
真つぶの水貝。これも超猛烈かつ初体験の味。昆布出汁と塩水に漬けた刺身。こんな驚きの調理法があったとは!
蛸とワカメの酢の物。ワカメの鮮度が半端無い。
ホヤ。鮮度が良いだけでは無く、冷たくキレイな海で育っているから透明感が半端無い。
ナマコ。これも透明感が半端無い。
メカブ。地味だけど猛烈。
市場には出回らない希少魚・大羽の塩焼き。焼き魚になるために生まれてきた身質。
ホッケを煮付けで喰うのは初体験。脂が良い感じ。
海老塩茹で、ブドウ、イカの唐揚げ。お口直しに。
鮑三品目。活鮑踊り焼き、牡丹海老、青つぶ貝。腰の振り方が猛烈。
昆布と魚のアラで出汁をとった浜鍋。もちろん猛烈。
鮑四品目。鮑の酒蒸し。と言いながら、ウニ、つぶ貝、南蛮海老も入った積丹オールスター。酒と塩だけでこんなにも透明感のある旨味を出せるとは!これも超猛烈かつ初体験の味。今日一番感動した料理。
喰い終えて。全ての料理に感じたことは、透明感。ただ旨味を引き出すだけ(それも難しいが)で無く、透明感を感じさせる料理。これは、積丹の海の力、素材を殺さない調理技術、料理人の心、の三位一体で生み出せる味と理解しました。衝撃大満足です。心より、御礼申し上げます。ご馳走様でした。