3連休も現実逃避旅。
富山空港のターンテーブルで廻っている寿司を見て、昼メシは何も考えず回転寿司に決める体たらく。
毎年冬に「猛烈っ〜」と唸り声をあげながら寒鰤を喰らう体たらく。そのほとんどは、氷見で水揚げされているので表敬訪問。シーズン前のこの時期は、寂しい印象。
昼メシは、氷見No. 1と称されるきときと寿司氷見本店へ。まだ11時半だというのに中で30分待ちの大盛況。
車の運転があるので禁酒。
ノドグロ、ボタン海老、ツブ貝、ミル貝、ホウボウ、鰤トロを一気に注文。
続けて、秋刀魚、鮪の中トロ、鰹→
甲烏賊、槍烏賊、ヒラマサのトロ、フクラギ(鰤の幼魚)
など、一気に喰ったけど、魚の旨味や甘味を感じない。一言で言うと「若い」印象。唯一、ノドグロだけは文句無く美味かった。
〆て2人で、23皿、7.4千円。高いなぁ。
高速に乗り、高山を目指す。猛烈に眠くなったので、運転は連れに押し付けて寝る。古い格安ホテルに荷物を降ろし、高山陣屋近くにあるCafe Courierを目指す。このCafeのオーナーは、運び屋。世界放浪をしている者でその名を知らぬ者はいない、最高の旅人。世界全ての独立国に行く目標を立て、最後の訪問国となったのは、カタフィ大佐が殺され大混乱中のリビア。最も飛行機に乗った時期は、6年間合計1,417フライト、3,387,472マイル=赤道上を約135周。ただの旅好きとはレベルが違う。その運び屋氏が飛騨高山の地で2年前にCafeを始める。
元インテリアデザイナーの奥様と最高の旅人が創り出す、こだわりが詰まりまくった空間。居心地が猛烈に良い。手作りのケーキやマフィンも猛烈に美味い。
店に入った時は、奥様だけ。しばらくすると買い物帰りの運び屋氏が登場。凄いオーラだ。
特に話しかけもせず、静かに退散。宮川に架かる中橋を渡り、
人生4度目の古い町並みへ。
古い町並み抜けると、山下清原画展にぶち当り、入ってみる。
多くの原画を観れて感無量だけど、写真撮影禁止なので絵葉書を代用up。有名な花火のちぎり絵の凄さは、花火そのものよりも花火を観る人の後ろ姿と悟る。その後ろ姿からは、子供達の歓喜と大人達の哀愁が低速で伝わってくる。これは、優しさを持った人間でないと表現できないし観ても理解できない。
ホテルで休憩の後、明治時代にタイムスリップした様な酒場、樽平へ。大女将は秋田出身、飛騨と秋田の味を両方楽しめるハイブリッド酒場。
大女将の焼き場前のカウンターに座る。長い年月が醸し出す良い雰囲気だ。飛騨高山に敬意を表し、ダークエールの地ビールから。
飛騨高山の食文化を知るため郷土料理盛り合わせ。
大好物のおからサラダ。
飛騨に来たからには、地酒呑み比べ。
茄子好きのオレとしては外せない焼き茄子地味噌入り。
飛騨の地酒が合わないので秋田の酒へ。新政エクリュ。その後、まんさくの花。
卵をパンパンに蓄えた地鮎塩焼き。今日一番の猛烈。
最近もずくにハマっている連れとしては外せない能登産天然手づみもずく。
まだ呑みたいので富山産バイ貝煮。
連れが欲しがったモッツァレラチーズの溜まり醤油漬け。
〆て2人で、1.4万円。ちょっと高いけど、酒、肴、空間、全てが呑兵衛の琴線に触れる名酒場。
次は、地球上で高山にしか無く、90年の歴史を持つ半弓道場へ。呑み屋街にあり、1軒目と2軒目の間に行くのが通らしい。何と、ココの現オーナーは、例の運び屋氏。高齢の主人に代り引き継ぐ。すると、空港が近くに無い高山なのにANAの機内誌「翼の王国」8月号に掲載される快挙。それも実質メイン扱い。さすが運び屋だ。外で並んで待っていると、凄いオーラを纏った運び屋氏が登場。「Cafeに来てくださいましたね」と声をかけられる。Blogファンである事を伝えると、「運び屋です。本物です。」とハイテンションで話が始まる。
的までの距離が通常の半分なので半弓。道場の中に入ってからも運び屋氏の猛烈なおもてなし精神が続く。申し訳無いくらい懇切丁寧に弓の射方を教えてくれたが、結果は散々。難しいから面白い。
運び屋氏は、最後に素敵なプレゼントをくれた。「夜の静かな古い町並みに是非行ってみてください」と。4回目の高山にして初めて夜の古い町並みに行くと、心落ち着く懐かしい情景が待っていた。
「全力」。全てに対し全力。運び屋氏は、良い男だった。
ホテルへの帰り道、高山ラーメンの名店、なかつぼへ。
並盛り中華(650円)。見た目はインスタントラーメンみたいだけど、呑んだ後に最適なライトなヤツ。文句無く美味い。
濃厚な1日が終了。