体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

東京 新小岩 大衆酒場「中村屋」 唯一無二のサ・カ・バ

中村屋」は、居酒屋ではない。正真正銘の「酒場」だ。

最寄り駅は新小岩、だが徒歩で30分以上かかる旧工場街に佇む酒場の情景は、一見の客を寄せ付け無い威圧感さえ覚える。口開けの17時、戸を開ける。既に先客が楽しそうに呑んでいる。コの字カウンターの端に座ろうとしたら、ここは指定席と諭され横に移動。40年以上も通う主が座る席らしい。店主は、にこやかで誰とでも直ぐに打ち解けられる器量を持っている。店の外と内では全く印象が変わる。

ハイボールを頼む。一升瓶に入った琥珀色の謎の液体をグラスに半分注ぎ、瓶のソーダと一緒に出すスタイル。いわゆる下町ハイボールだ。壁に貼れれた短冊を眺め合わせるアテをさがす。

鮪のブツ切り。
豪快・巨大・大量。いくら食べても中々無くならない。

つみれ。
隣の常連さんの解説によれば、つなぎを一切使わず作っているとのこと。臭みが全く無く文句無く美味い。
常連さんの解説は続く。昔、この辺りは工場街で、職工さん達が呑みに来ていた店。ここではいろんな料理を食べた。おしんこや冬場の鍋は最高に美味い。店主は80近い高齢のため昔よりメニューは減った。この店は1人で来るサ・カ・バ。最近はネットで見て大勢で押し掛ける輩がいて困る。(ネットのおかげで出逢える店が増え、幸せになれる俺…)

ごま和え。
ごまがこんなに美味しいとは。強烈に美味い。

寿司。
こんなに巨大な寿司を食べるのは初めてだ。大トロ、鮃、勘八、甘海老、玉子。どれも巨大な立方体。大トロが超強烈に美味い。見て食べて幸せになれる巨大寿司は土曜限定。

気が付くと店の中は満席。ハイボールを4杯呑んで結構酔ってきた。滞在1時間だが、次の客にさっと席を譲るのが江戸っ子のルール。

〆て1人で6千円。大満足。