体たらく日記

呑、喰、旅。世のため人のためにならない体たらくの日記。

理系出身の体たらくが小保方会見について考えてみた

まず、このブログでは、STAP細胞が存在するか否か?については言及しない。それは、素人が憶測で話す事では無く、科学的に立証されるべき事だから。

1.小保方氏の戦略
この会見の目的は、世論を味方に付けること。
これが最優先で、今回の会見でSTAP細胞の存在を証明することは鼻から考えていなかったと推察する。確かに良く練られた謝罪の言葉だったと思う。しかし、それを計算高いと批判するのは間違っている。彼女の現在の状況は完全アウェイ。フェアな状況ではない。この状況ではこの先、真実を語っても全て嘘にされてしまう。まずは、話しをまともに聞いてもらえる状況を整える事。それが最優先課題だったのであろう。

2.感想
「未熟な私に研究者としての今後があるのでしたら、STAP細胞が誰かの役に立つ技術にまで発展させていくんだという思いを貫いて、研究を続けていきたいと考えております。STAP細胞の研究をできるだけ早く進め、そのように希望を持ってくださる方の思いに少しでも応える態度を示していきたいです。」と言う決めゼリフは、正直シビれた。いい意味で。

俺は、小保方氏が本心でそう言っていたのかどうかは考えないことにする。この会見では多少の誇張があっても良い。世論を見方に付けるのが最優先課題なのだから。しかし、少なくても、彼女が畑違いの化学から再生医療の道を志した時は、「誰かの役に立つ」と心の底から思ったのだろう。そうでなければ、遊びたい盛りに地味な研究の道を志す筈が無い。

彼女を批判するヤツは、大勢いるだろうが、こんなセリフを吐ける仕事に就ける人は、情熱、才能、運を兼ね備えた極一握りのエリートなんだな。大多数の人間は、誰の役にたっているかも分からん必要悪のどうでもいい仕事に就き、飲み屋で会社の愚痴をタレて職業人生を終えるのが関の山。ところが、再生医療は、役の立ち方が明確で救える人の数が桁違い。名医でさえ、一生かけて救える人の数は、万単位。再生医療は、世界中で億単位の人を救える。こんなスゲー仕事はそう無い。これが科学者の醍醐味なんだな。だいたい、理系を選ぶ奴の多くは、大なり小なり科学や工学や医学で世の中の役に立ちたいと志して大学に入ってくる。自分のコトより人のコトを考えている。金儲けしたいとか、遊びたいとか、そんなコト考えている奴はほとんどいないんだよ。ホント。文系の記者にその志が分かるか?理研との確執や副センター長との不倫がどうのとかゲスなコト言うな!アホ!恥を知れ!

会見の場で、小保方氏は堂々としていた。その態度は、科学者としての矜恃を見た気がした。
「戸惑っている様子だった」と評したマスコミもいたが、300人を超えるマスコミの人達を前に、辣腕弁護士が同席したとはいえ、1人であれだけしっかり話せる人がどれだけいるだろうか?理研の幹部なんて会見の場に大勢で出てきて、責任回避の発言ばかりして、よっぽど情けない体たらくだった。

魔女狩りの様な異常な状況は早く終息して欲しい。STAP細胞の研究が進む事を願って。



久しぶりに理系を志した10代の頃を思い出した。