日常のつまらないことに疲れ、しばらく何もしたくなくなったら、ネルハとフリヒリアナを訪れると良い。ホテルに荷物を降ろし、白と青しかない町に出れば、背負っていたものがどうでも良いことだったと気付くのに時間は掛からない筈だ。
日本人でネルハやフリヒリアナという地名を知る人は少ない。今回の旅でアンダルシアの白い村と地中海をどうしても観て感じたかった。
「アンダルシアの白い村」は、実はいっぱいあって、ガイド本に載っているだけでもミハス、カルモナ、カサレス、アルコス・デ・ラ・フロンテーラ、フリヒリアナなど。ガイド本ではマイナー扱いにも関わらず白い村の行先をフリヒリアナに決めた理由は、
・FIGAROのアンダルシア特集に載っていた写真に魅かれるものを感じた
・団体旅行客は少ない(らしい)
・セビーリャ、グラナダと組み合わせ移動効率が良い
の3点。フリヒリアナへは、ネルハという町が起点となると調べがつき、次にネルハという町について調べると、「ヨーロッパのバルコニー」と呼ばれる地中海を見渡す展望台があるとのこと。スケールの大きい名が気になり始め、YouTubeでバルが立ち並ぶ夜の通りの様子を見てここにしようと直感的に決めた。
【ネルハの印象まとめ】
・強烈な日差しが照りつけるが、日陰に入ると海風が通り抜ける度に心地よい。(7月中旬)
・町はヨーロッパからのバカンス客で一杯。日本人らしき人を見かけたのは1回だけ。
・町はコンパクトにまとまっている。余計なものはないが、必要なものはそろっている。
・とにかく海はきれい。ビーチは適度な混み具合。そこそこ人はいるがストレスを感じる程ではない。
・バル、レストランの当たり外れの差は大きい。
・総じて、バカンスとして数日滞在するには、ゆっくり心地良く過ごせる町。しかし、ナイトライフは期待できない。
泊まったHostal Abril。1泊2名で50ユーロ。
安かったので全く期待していなかったが、綺麗で広く、インテリアにもちょっとしたこだわりを感じ大満足。ベッドルームとリビングが分かれており、リビングにはソファーが2つもあった。
一番おいしかったレストラン、PACOMARI。
弾力のある肉厚のサーモンの旨み、アンチョビのちょうど良い酢のしめ具合、ガスパッチョはサッパリしているが旨みがある、どれも最高。
【ネルハへの行き方】
・マドリッド方面もしくはセビーリャ方面から
まず、特急でマラガまで出る。(マドリッドから約2.5時間、セビーリャから約2時間)マラガからネルハまでは、バスで約1時間。マラガで鉄道からバスへの乗り換えは、ターミナルが連結されているので分かりやすく、徒歩5分ほど。バスはALSA社のバスを利用するが、HPで時刻検索やチケットの購入ができるようになっているものの日本のクレジットカードで予約購入はできなかった。希望するバスに乗れるか不安を抱えたまま、マラガのバスターミナルまで行ったが、発車時刻30分前の購入時点で6割以上席が埋まっていて、発車時は満席となった。確実に席を確保したい方はスペイン入国時の街でALSA社のバスターミナルがあれば、そこで買ってしまうのが良い。バスのチケットは、窓口か自動販売機で購入できるが、マラガの窓口は非常に混んでいたので、自動販売機で購入。簡単な英語かスペイン語が分かれば誰でも購入できるのに誰も使っていないのは何で?自動販売機でも当日以外の便も購入可能。
・スペインの他の都市を経由しない場合
ヨーロッパの主要都市からマラガ空港へ直行便がある。マラガまで飛行機で入り、バスに乗り換え。
★★★
【フリヒリアナの印象まとめ】
・白はどこまでも白く、きれい。一点の汚れもない。
・地中海と空の青と壁の白とのコントラストがすばらしい。
・観光客は少なく、ゆったりとした時間が流れている。
・村の見所は2本の小道沿いに集約される。
・バルでモヒートを呑みながらまったり過ごし、土産物屋を見ながらゆっくり回って3時間、駆け足なら1時間でも観れないことはないが、この村では、腕時計なんか鞄にしまってしまい、永遠とも思える長い午後をゆっくり過ごすというもんだ。
村の入り口
白と青の世界
左:さっぱり味のレモンソーダ、右:ミントの効いたモヒート
【フリヒリアナへの行き方】
ネルハからバスで約20分、1ユーロ。タクシーなら約15分、10ユーロ。
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